乳がんに気づくには、まずは自分のお乳の硬さを知ろう
★自分のお乳の硬さを把握する重要性について★
患者さんによく聞かれるのは
「乳がんて、自分で触ってわかるもんなんですか?」
と言う質問です。
逆に私からの質問です!
「皆さんは自分のお乳の硬さを把握できてますか?」
乳がんのしこりはとても硬いことが多いです。
(マンモでしか見えない、石灰化でわかる初期のがんや、小さすぎるがんは、私たち乳腺外科医が触ってもわからないこともあります)
お乳の硬さは人それぞれで、個人差がかなり大きいです。
お乳は脂肪と乳腺からできていて、乳腺そのものは硬いので、一般的には乳腺が多い若い人はお乳が硬く、年齢が上がるにつれて乳腺が脂肪に置き換わり柔らかくなる傾向にあります。
ただ、年齢に関係なく、体質的に乳腺が多い方もおられ、50〜60代でも硬めの方もおられます。
おばあちゃんの柔らかいフニャフニャなお乳に、硬いシコリができたら、「あ、硬い何かができた」と触って気づきやすいです。施設の介護スタッフが入所されてる患者さんの入浴介助や着替えの時に乳がんのしこりに気付いて受診されることも時々あります。
でも元々乳腺が多くてベースが硬いお乳だと、触ってもシコリに気づきにくいのです。
またマンモグラフィ では乳腺は白くうつり、乳がんのシコリも白い塊としてうつるので、マンモでわかりにくいこともあります。
だからこそ、普段から自分のお乳を触って「自分の硬さはこんなもんなんだ」と知っておいて欲しいのです。
自分の硬さを知ることで、実際に乳がんが出来ても「いつもと違う硬いシコリができた」と感じられます。
きちんと検診を受けていて、マンモでは異常無しだったけど、しこりがあると来られた方で乳がんだったこともあります。これは正常乳腺の白い部位に乳がんが重なってマンモではしこりとして検出されなかったと思われます。
残念ながら、100%正確に乳がんを検出する検査はありません。多くの乳がんはエコーとマンモで検出できますが、どちらか一方の検査でしか検出できないものもあります。
「月に一回自分でお乳触ってね!」と言っても、忙しい毎日の中で触診そのものを忘れてしまいます。
なので毎日する動作に紐づけるのがいいです。
毎日のお風呂で体を洗うついでに、さっとお乳を触るだけでもいいんです。
触診の仕方をあまり難しく考えなくてもいいです。
まずは、お乳を全体的に触って、しこりがないのか、そもそも今のベースのあなたの硬さを把握してください。
「あれ?これは硬いのか、正常なのかわからない」と言う時はその周囲の硬さや、反対側のお乳の同じ部位を触って硬さを比べてください。硬いかどうかわからないけど、不安なしこりに感じるなら乳腺外科を受診してください。
「じゃあ自分で触ってわからない乳がんはどうするの?」
それは乳がん検診に行ってチェックしましょう。
10月はピンクリボン月間です。乳がん検診に来られる患者さんが増えてます。
これを機に「自分のお乳の硬さを知る」習慣をつけましょう。「どうせわからないから、触らない」ではなく、わからないながらも、自分のお乳だからこそ触ってチェックするのです。
「お乳を意識した生活」、それはあなたの大切な5年後、10年後を守ってくれます。
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