乳がんのリスク因子って?
残念ながら乳がんを確実に予防する方法はありません。
しかし、正しい情報を知り、自分ができる範囲でなるべくそのリスクを避け、予防できることは取り入れていきませんか?
世界がん研究基金/米国がん研究協会の「食物・栄養・身体活動とがん予防:国際的な視点から」、日本人を対象とした国立がん研究センターの「科学的根拠に基づくがんリスク評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究」、その他の国内外の乳がんリスクの研究報告などから、乳がんのリスク因子や予防因子として私たちが注意すべきことを紹介します。
ただしこれらリスクに当てはまると必ず乳がんになるわけではなく、リスクを避けたら乳がんに絶対ならないわけでもありません。あくまで、ご自身でできる範囲でリスクに注意していきましょう。
リスク因子
①アルコール
閉経後女性ではアルコール摂取が乳がんのリスクになります。摂取量が増えるほどリスクが高くなるとされています。
閉経前女性ではアルコール摂取が乳がんのリスクになる可能性が示されています。
しかしアルコールで会話が増えたり、気分をリラックスするメリットも実際にはありますので、適度な量に抑えることが重要です。
日本人の肝がん、胃がん、大腸がんも含めたがん予防のために推奨される1日飲酒量の目安としては、以下のいずれかにとどめることが推奨されてます。
ビール大瓶1本、日本酒1合、ワイングラス2杯、焼酎原液1合の2/3
②肥満
閉経後女性では肥満は乳がんのリスクになります。
閉経前女性では欧米の報告と、日本人を対象とした報告結果が異なりますが、肥満が乳がんリスクを上げる可能性が示されています。肥満は確実に生活習慣病のリスクになるため、適正体重を維持することを心がけましょう。
肥満の定義としては、BMI(Body Mass Index:体重㎏÷身長m×身長m)で、25未満が正常、25~30を過体重、30以上を肥満としています。
③喫煙
喫煙は乳がんのリスクになります。
受動喫煙でも乳がんのリスクになる可能性があります。
④糖尿病
糖尿病は乳がんのリスクになります。
糖尿病の予防のためにも、適正な体重の維持や運動が重要になります。
予防因子
運動
閉経後女性では定期的な運動をしているほうが、運動量が少ない女性よりも乳がんのリスクが低くなるとされています。
できれば定期的に、少し汗ばむほどの歩行やジョギングを週に150分以上行いましょう。
閉経前女性では運動で乳がんのリスクが下がるかの確定的な結論は出ていませんが、激しい運動(サイクリングや水泳、テニス、ランニングなど)で乳がんのリスクが低くなる可能性があります。
閉経状況に関わらず、無理のない範囲で運動習慣をつけましょう。
私も、患者さんに運動を勧めておきながら自分は運動不足なのは問題なので、大人の水泳教室を習いだしました! 泳げないところから開始し、溺れてるようなブサイクなクロールでしたが、25mは泳げるようになってます。 まだまだ下手くそですが、一生続けたいと思ってます。 皆さんも、何か運動をはじめましょう^^
参考資料
Diet, activity and cancer - WCRF International
更新情報 | 科学的根拠に基づくがんリスク評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究 | 国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所 予防関連プロジェクト (ncc.go.jp)