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標準治療だけで大丈夫なの?

[2024.09.22]

みなさん、標準治療ってご存じでしょうか?

辞書で「標準」を調べると

①判断、行動などのよりどころとするものや、比較の元とするもの 

②平均的な度合い。並み。

と書かれています。

もし、レストランのメニューに、スタンダードコース、プラチナコース、プレミアコースとあれば、「スタンダード」は、余裕があれば上のコースにしようかな?今日は奮発して上のコースにしようかな?と思うような位置付けかもしれません。

豪華なコースに比べたら、スタンダードコースは物足りなく感じるかもしれません。これは②の意味あいで使われているからでしょうね。

でもがん治療における「標準治療」は違います。

結論から言うと、「標準治療」が現時点での最良、ベストの治療法になります。

人に対する新しい治療法の安全性や有効性を検証する研究を臨床試験といいます。

世界中の優秀な専門家が集まり、多くの臨床試験の最新の結果について話し合い、その時点での最善の治療法であると認められたものが標準治療であり、それらをまとめたものがガイドラインです。

標準治療はこれまでの蓄積された研究結果から科学的な根拠をもって、現時点で最も効果が期待できて、安全性も確かめられた治療法になります。

新たな治療法、臨床試験の結果によって標準治療はアップデートされ、乳がん診療ガイドラインも定期的に改訂されています。

患者さんが、ご自身の病状をしっかり把握し、それに対応した標準治療を納得して受けていただくのが重要です。

世の中には民間療法がたくさんあり、乳がん患者さんがより良い治療を求めて、いろんな治療法を試したいお気持ちはよくわかりますが、患者さんが治療にかけられる時間、気力、体力、お金は有限です。

最も効く確率の高い標準治療に専念することを強くお勧めします。

患者さんには、健康食品やサプリメントでも薬剤性肝障害が起きうるということを知っておいてほしいです。

乳がんの薬物治療中に、同時に摂取していた健康食品やサプリメントによって肝障害が起きたとしても、血液検査からはどの薬物やサプリメントが肝障害の原因なのかを特定するのは困難なため、乳がん治療薬も含め一旦すべて中断することになります。標準治療の妨げになることもあり得るのです。

乳がん発症前まで何年も飲み続けてきている健康食品やサプリメントなら、それが原因で肝障害を起こす可能性は低いのですが、逆に継続して飲んできても乳がんを発症しているので、それらが乳がんの発症予防や治療にはなっていないということになります。

繰り返しますが、標準治療に専念することをお勧めします。

患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版 | 最終更新日: (xsrv.jp)

 

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