開院後半年の乳がん診断件数
2025年4月1日に開院し、半年が過ぎました。
この半年で当院で乳がんと診断した件数は85例になります。
しこりなど症状があって受診された方、乳がん検診で要精査となった方、本人が気になって受診した部位とは別部位にたまたま乳がんが見つかった方など、いろいろな経路で診断がついてます。
当院では乳がんの診断後にCTまで行うため、治療前のステージが分かりますが、ほとんどがステージ0〜2の早期がんでした。(手術後の詳しい病理結果によっては、最終ステージが治療前のステージとは異なることもありますが)
今年の4月、5月に乳がんと診断し、病院へご紹介した患者さんで、手術や放射線治療が終わり、「がんパス連携」という形で当院へ戻って来られ、ホルモン療法や経過観察をしている方も少しずつ増えてきました。
乳がんと診断された時、不安いっぱいだった患者さんが、手術や放射線治療など病院での治療を乗り越えて笑顔で当院へ戻って来られる姿を見ると、乳がんと向き合いながら、たくましくなっていくのを感じます。
私がこの地に乳腺クリニックを開院した理由は
①この地域で乳がんで亡くなる方を一人でも減らすこと
②近隣の病院と連携して乳がん患者さんをサポートし、南大阪における乳がん治療を盛り上げること
になります。
そのために以下のことを進めていきます。
★乳がん検診を広げる
乳がん死亡率の減少が証明された検査はマンモグラフィです。
できるだけ多くの方に、乳がんについて正しい情報を知ってもらい、気軽に検診を受けられるようにしたいです。
★総合病院と連携
当院で乳がんと診断された患者さんが、できるだけスムーズに治療開始できるようにします。
また病院での乳がん手術後、治療後の定期検査やホルモン療法などアフターフォローもしています。
現在、連携している病院は堺市総合、ベルランド、大阪労災、近大、大阪公立大、大阪国際がんセンター、八尾市立、大阪大、耳原になります。
他府県から転居に伴い、当院に来られる方もおられます。
現在、総合病院の乳腺外来が非常に混んでいて、患者さんにとって受診のハードルはとても高い状況です。
外来患者さんが多い理由は以下になります。
①乳がんになる患者さんが増えている。
②患者さんの病理結果や再発リスクに応じて、昔よりも術後の治療期間が延長したり、治療内容も複雑になってきています。
(かつては術後ホルモン療法は全員一律5年間の投与でしたが、現在はリンパ節転移がある方などは10年間投与する方もおられます。またホルモン療法に加え、リスクに応じて分子標的治療薬や抗がん剤の併用が必要な場合もあります)
③病院では早期がんの治療だけでなく、転移再発の患者さんも多くおられます。
このため、今後も増えゆく乳がん患者さんをいかにサポートしていくかが課題となってきます。
病院でしかできない治療(手術、点滴抗がん剤、放射線治療など)が終了した術後経過観察の方や、ホルモン療法で病状が安定されている患者さんは、病院と乳腺クリニックとが連携し、2方向から患者さんをサポートしていく、これが「癌パス連携」と言われている体制になります。
もちろん、クリニックでアフターフォローしていても、病院での治療が必要になった際には病院へ再度紹介しますので、患者さんにとったら2か所から診療サポートを受けられるという安心感につながります。
前勤務先の八尾市立病院からの患者さん、4月開院以降に当院で診させていただいてる方、これから初めましての患者さん達、これからもスタッフ一同、全力でがんばりますので今後ともよろしくお願いします。
