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当院での乳房検査

視触診

乳房や乳頭の見た目の変化がないか、わきや首、乳房を触ってしこりや硬い部位がないかを調べます。

しこりの大きさ、硬さ、押すと簡単に動くのか、表面がゴツゴツしているのか、つるっとしているかなども評価します。

マンモグラフィ

女性技師による乳房専用のX線撮影になります。左右それぞれの乳房を挟んで撮影し、しこりや石灰化がないかを調べます。

しこりとして触れない早期の乳がんを発見にも有用です(石灰化病変は超音波よりもわかりやすいことが多いです)。

マンモグラフィ撮影による被ばく量はごくわずかでほとんど危険はありません。

ただしペースメーカーを装着している方や、豊胸術後、妊娠中や妊娠の可能性のある方はマンモグラフィはできません。

乳腺濃度が高い方はマンモグラフィではしこりが検出しにくくなります。

マンモグラフィ検診結果の見方

乳腺超音波(エコー)

検査そのものに痛みは伴わず、被ばくのない検査になります。

しこりとして触れない病変でも見つけることができます。

乳房だけでなく、わきのリンパ節が腫れていないかを観察します。

しこりの境目や形から、良性なのか、乳がんの可能性があるのかを判定します。

妊娠中や若年の方、乳腺濃度の高い方にも適しています。

マンモグラフィと超音波のどちらかでしか発見できない乳がんもあります。

MRI

(同じ建物1階で撮影します)

通常は乳がんと診断がついた場合に乳房内の乳がんの広がりを調べ手術の切除範囲を決めるためにMRIが使われますが、マンモグラフィや超音波検査で診断が難しい場合は、造影剤という点滴をしながら乳房MRIを行うことができます。

閉経前の患者さんであれば、撮影時期としては月経開始5日目から12日目の撮影が望ましいです(通常乳がんはMRIでは白く描出されますが、最適時期以外の撮影だと、正常乳腺も白くうつり、がんの病変部分が正確に指摘しにくくなることがあります)。ただ、閉経近くなっていたり、生理不順の方は月経周期が予測できないため、可能であれば、生理前に感じるような胸の張りが無い時期に受けてください。

MRIは被ばくのない検査になりますが、造影剤は妊婦、妊娠の可能性がある方、授乳中の方、腎機能の悪い方や喘息の方は原則投与できません。

CT

(同じ建物1階で撮影します)

針生検で乳がんと確定診断がついた場合、乳がんのステージを調べるため、肺や肝臓、わきのリンパ節などに転移していないかを調べる検査になります。ステージにより治療方針が異なってくるので、正確にステージを診断することは重要です。無症状のステージⅠの場合は転移の見つかる可能性が低く、術前のCT検査は必須とはされていませんが、術前に抗がん剤を投与するような乳がんのタイプであれば、CTは有用のため撮影を行います。

また乳がんの術後に再発兆候がない場合、定期的なCT検査が生存率を改善するデータは無く、推奨されてはいませんが、症状がある場合や再発リスクに応じ相談のうえ撮影を行います。

CTは被ばくを伴う検査になり、妊婦、妊娠の可能性がある方は行えません。

また造影剤はヨードやヨード造影剤のアレルギーがあったり、腎機能の悪い方や喘息の方、バセドウ病、褐色細胞腫、多発性骨髄腫の方は原則投与できません。造影剤が使えない場合は、造影剤無しでCTを撮影します。

穿刺吸引細胞診

リンパ節やしこりにむかって、採血に使うような細い針を刺し、注射器で中の細胞を吸引して、顕微鏡でがん細胞がいるかどうかを調べます。10分程度で終わります。針を刺した部位に小さな血の塊ができることがありますが、大きいな合併症はほとんど起こりません。

針生検(組織診)

超音波をしながら、まず皮膚、次に乳腺の下に局所麻酔を行い、しこりに向かって細胞診よりも太めの針を刺し、しこりの組織そのものを採取します。

麻酔で痛みは抑えられますが、検査の時にパチンと検査機械の音が鳴り、乳房に振動を感じます。

細胞診よりも採取する量が多いため、たとえば乳がんであれば、どんな薬が効くタイプかなど、より正確に調べることができます。針を刺した部位に血の塊ができることがありますが、1-2週間で消えることが多いです。検査後にしばらく穿刺部を圧迫します。

マンモグラフィで精査が必要な石灰化病変があり、超音波でその病変が検出できない場合、マンモグラフィをしながら組織診(ステレオマンモトーム)が必要となるため、連携病院へご紹介します。

★注意点★

まれに細胞診や針生検では診断がつかない場合があります。

細胞診では実際に採取できた細胞が少なすぎる場合や、顕微鏡でがんを専門に診る先生(病理医)が見ても悪性か良性かの判断が難しく、グレー病変という結果になることもあります。

乳がんのしこりは、①しこり全体ががん組織に埋め尽くされていることもあれば、②内部が不均一に、まるでルービックキューブの様にあべこべにがんと良性の病変が混じっていることもあります。

①の病変であれば、しこりのどの部位を刺しても乳がんの診断となります。

しかし、②の病変の場合、エコーではしこりとして認識できても、あべこべな病変の詳細までは認識できないため、針生検で十分な量の組織が取れていても、たまたまがんでない部位が採取されていることもあります。 

このため、針生検では良性という結果だったとしても、視触診、超音波、マンモグラフィーなどの画像検査では乳がんが否定できない場合は、再度針生検や、さらに太い針での組織診、しこりそのものを手術で摘出する方法が勧められます。

検査によって患者さんが受ける体の負担の程度は、手術での摘出(摘出生検)>針生検>穿刺吸引細胞診ですが、顕微鏡で正確に診断できる順番も、手術での摘出(摘出生検)>針生検>穿刺吸引細胞診になります。

病変が見つかった場合に、これらのうち、どの検査を行うかは、エコーやマンモグラフィなどから総合的に決めます。

 

 

 

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